サイクル旅日記

[2009-06-19]
にほんの里100選ツーリング57 ▽白峰・石川県白山市(34)
●道の駅一向一揆の里(石川県白山市)→白峰(白山市)→大崎海浜公園キャンプ場(かほく市)

▽白峰・石川県白山市(34)
 国道157号で白峰へ。手取湖付近から白峰までの10kmはトンネル、トンネル、トンネルと10数個もトンネルが続く。トンネルを抜けて先ず白山市白峰支所を訪ねる。産業建設課の山口さんが応対してくれる。訪問の主旨を告げると資料をしめしながらポイントをわかりやすく的確に説明してくれる。さらに紬織については加藤機業に電話で見学の了承をとってくれる。説明を受けたあと町を散策。家並はこげ茶色に統一され落ち着いた町並となっている。山口さんに紹介された「雪だるまカフェ」で昼食。ここは古民家で天井や柱、建て具が漆塗となっている。つづいて牛首紬の加藤機業へ。電話連絡をしていただいたおかげで、すぐ案内され、伝統の手作業でまゆから織ものになるまでの過程を見せていただく。牛首紬織の四代目の加藤さんの説明では、落ちのびた源氏の一族が村人に織の技術を伝えたのが始まりで、素朴な風合いと優れた耐久性から長く愛され、国の伝統的工芸品にも認定されているという。白峰からは輪島市を目指し、途中のかほく市大崎海浜公園キャンプ場に泊まる。走行距離103.28km。
 写真は白峰の町並、雪だるまカフェ、同、牛首紬のまゆから糸にしているところ、織物にしているところ。




[2009-06-18]
にほんの里100選ツーリング56 ▽橋立町・石川県加賀市(35)
●越前加賀国定公園鮎川園地キャンプ場(福井市)→橋立町(石川県加賀市)→道の駅一向一揆の里(白山市)

▽橋立町・石川県加賀市(35)
 鮎川園地キャンプ場から昨日に引き続き日本海沿いを走って橋立町へ。橋立町では北前船の里資料館の前の公園に自転車を置いて集落を散策。ひなびた町並みにしっくりと溶けあう柔らかな赤瓦の屋根、いかにも骨太な海の男の美意識を結集したような家構え、外観は日本海から吹きつける潮風からしっかりと家を守るごとく船板で守られている。雰囲気の良い集落を散策しているとアッというまに時間が過ぎて行く。遅い昼食のあと石川県白山市白峰を目指す。途中にあった道の駅一向一揆の里で道路状況を尋ねると、これから白峰まではずっと上りで大変だよ、このあたりには宿がないからここに泊まったらと言われ、道の駅に泊まることにする。走行距離79.69km。
 写真は船主集落、旧酒谷長兵衛家住宅(北前舟の里資料館)、旧酒谷長一家の住宅(蔵六園)、庭、忠谷家の住宅。



[2009-06-17]
にほんの里100選ツーリング55 ▽白山・坂口・福井県越前市(36)
●南越前町→白山・坂口(越前市)→越前加賀国定公園鮎川園地(福井市)

▽白山・坂口・福井県越前市(36)
 南越前町から越前市へ。越前市では資料を送っていただいた観光振興課の西出さんを訪ねると人事異動で市民課へ異動したという。観光振興課室長の福島さんと齊藤さんから説明を受ける。このあと市民課の西出さんにお礼の挨拶にうかがうと、彼女は満面に笑みをうかべ「来ていただいてうれしい」と迎えてくれる。この一言でとても気持が和らぎ、越前市に来てよかったと思う。さらに自転車クラブを立ち上げた職員課の中村さんを紹介してくれる。中村さんからは、加賀市に向かうのであれば、越前海岸沿いの国道305号を走ることを薦められる。西出さんに玄関まで見送られ白山(しらやま)、坂口へ向かう。白山では安養寺集団栽培組合を訪ね、ちょうど居あわせた西田さんから話を聞くことができた。ただ米を作るだけでは今の時代は経営上厳しい。そこで減農薬稲作を始めた。7人で12町歩の水田で減農薬のコシヒカリを栽培している。収穫のうち半分は農協へ、あとは個人のお客さんへの販売と自家米。個人への販売がもっと増えるとよいのだがという。西田さんは自然保護にも力を入れており、コウノトリが飛来する取り組みのひとつが減農薬稲作である。このことによってコウノトリの餌となる生き物が増えるのだという。またサギ草をこの地区に増やす取り組みも行っている。話を聞いたあと郷の森里楽(さとのもりりらく)へ行く。ここには森の中に溜池を利用したビオトープや休耕田を利用した湿地ビオトープがある。
 つづいて坂口のエコビレッジ交流センターへ行く。野村さんが中津原町西尾谷ビオトープと下別所ビオトープをクルマで案内してくれる。野村さんは水と生き物を守る農家と市民の会のメンバーで、またにほんの里100選の応募にも関わった人。アベサンショウオが増えることやコウノトリが飛来することを願っている。お土産に素晴らしい風景の「にほんの里」のポスターをいただく。坂口のあと職員課の中村さんから薦められた国道305号を走る。福井市に入ると越前加賀国定公園鮎川園地というキャンプ場の看板が目についた。ここは海岸沿いの景色の良いところで、温水シャワーもある。迷わず泊まることにする。走行距離83.04km。
 写真は白山、郷の森里楽、中津原町西尾谷、下別所。




[2009-06-16]
にほんの里100選ツーリング54 ▽三方五湖・福井県若狭町(37)
●舞鶴市(京都府)→小浜市(福井県)→三方五湖(福井県若狭町)→南越前町

▽三方五湖・福井県若狭町(37)
 舞鶴から国道27号で小浜へ。ここでスーパーで買物。スーパーの出口で地元の女性に三方五湖まではどのルートがよいか尋ねると、国道27号がよいという。そばで聞いていたオヤジがそんな道はダメ、県道24号から梅街道で行くのがよい。平坦でクルマも少ないから自転車にはこの道がよいという。国道162号が一番近道だと思うというと、坂が厳しいからやめたほうがよいと言われ、オヤジお薦めのルートで行くことにする。言われたように平坦でクルマも少ない。三方五湖では三方湖、菅湖、水月湖、久々子(くぐし)湖の順に走る。日向湖は猿が群れをなしていたので、危うきには近づかないことにし、ここへ行くのはやめる。どの湖も湖畔には梅林が随所で見られる。堀切という三方湖と菅湖を繋ぐために人工的に造られた川がある。ここは亀の宝庫と言われているところで、道路を亀が横切って行く。浦見川は水月湖と久々子湖を繋ぐために人工的に造られた川で、側面には岩を掘った「ノミ」の跡が残っている。三方五湖のあと南越前町まで走って泊まることにする。昨日は歩きすぎ、今日は少し走りすぎたか。走行距離125.05km。
 写真は堀切、近くにいた亀、浦見川、久々子湖と梅林。




[2009-06-15]
にほんの里100選ツーリング53 ▽上世屋・京都府宮津市(54)▽伊根湾の舟屋群(53)
●上世屋(京都府宮津市)→伊根町→舞鶴市(京都府)

▽上世屋・京都府宮津市(54)
▽伊根湾の舟屋群(53)
 今日は歩き疲れた。初めに岳山へ。キャンプ場からチョウ急な階段を登って頂上へ。展望台からは、少し雲が出てあまり眺望は良くないが、上世屋の集落や棚田、ブナ林、大フケ湿原が眺望できる。岳山は水源の森で、世屋の棚田は効率的にその水を利用している。大フケ湿原は写真では良くわからないが、上世屋から木子にかけて位置する高層湿原で、湧水が広く湿原を覆っている。岳山を下って、ブナ自然道へ。府道75号からの道はダート。タイヤのバーストやパンクが心配なので、自転車を降りて押して歩く。途中からは自転車を置いて、貴重品だけ持って歩く。岳山やブナ林、歩くのは自転車をこぐより辛い。ブナ林のあとは上世屋の集落や棚田を見て国道178号へ出て伊根町へ。
 伊根町では初めに役場の地域整備課へ。担当者が出かけており、石田さんが舟屋のチラシをみながら説明してくれる。石田さんがここへ行くと良いと言われた所へ行ってみる。なんとそこで出会ったのが担当者の桑原さん。桑原さんはにほんの里100選の応募にも関わったという。伊根浦は日本海にありながら南向きであり、その出入口に青島があることで波が穏やかである。水際ぎりぎりのところに切妻面を海に向けた2階建建物が舟屋で、1階が舟の格納庫、2階が居室などになっている。およそ350世帯で構成される集落は、延長5kmにおよぶ伊根湾の海岸沿いに連続して細長く形成されている。伊根は落ち着いた雰囲気のある町だ。このあと舞鶴まで走って泊まる。走行距離79.35km。
 写真は岳山からみた世屋のブナ林と湿原、世屋高原のブナ林、上世屋の棚田、伊根町の舟屋。



[2009-06-14]
にほんの里100選ツーリング52 ▽円山川流域・兵庫県豊岡市(58)
●智頭町(鳥取県)→大師山自然公園キャンプ場(兵庫県豊岡市)→円山川流域(豊岡市)→世屋高原キャンプ場(京都府宮津市)

▽円山川流域・兵庫県豊岡市(58)
 6月13日 西谷新田から豊岡市へ。途中どこかで泊まろうと思いながら、なんとなくとうとう豊岡市まで走ってしまった。今日は少し走りすぎだ。豊岡市大師山自然公園キャンプ場泊。走行距離141.99km。
 6月14日 キャンプ場を出ようとすると、入口で草刈をしている人がいたので、コウノトリはどこでみられるか尋ねてみる。加陽地区だという。加陽地区で散歩をしている人がいたので話かけてみる。加陽東浦水利組合理事長の長砂さんで、コウノトリの餌場の保全にも携わっている。この地区の湿原は国の減反政策で米作りをやめた所。面積は17町歩。国のビオトープの補助金がついていたので、水路を作って湿原にし、魚を放流したり草刈をしたり、コウノトリの餌場の保全に努めてきた。しかし平成19年度で国の補助金が打ち切られた。20年度は市の単独の補助金がついたが、21年度以降はどうなるのか心配だという。残念ながら今日はここではコウノトリはみることができなかった。長砂さんに玄武洞ミュージアムの杞柳細工の実演と加島地区のコウノトリの餌場をぜひみるようにと勧められたので行ってみる。残念ながら今日は杞柳細工の職人が来ないということで実演はみられない。製品があるのでたずねてみると、杞柳製品は円山川のもたらす湿地と肥沃な土が杞柳「コリヤナギ」の生育に適している。製品は柔らかさと適度な硬さを備えており、親しみのある味わいにあふれているという。戸島地区では待望のコウノトリをみることができた。飛んでいるのが2羽、湿原にいるのが2羽。残念ながら遠くの方にいるため携帯の写真ではよくわからない。
 このあと宮津市上世屋を目指す。国道178号までは順調に走ってきたが、府道75号から世屋高原キャンプ場までは11kmの上り。80kmあまりを走ってきてからの上りはきつい。この上りに1時間30分もかかってやっとキャンプ場に到着。走行距離88.60km。
 写真は加陽地区の湿原と戸島地区の湿原。



[2009-06-12]
にほんの里100選ツーリング51 ▽阿波・岡山県津山市(69)▽西谷新田・鳥取県智頭町(66)
●智頭町(鳥取県)→阿波(岡山県津山市)→西谷新田(鳥取県智頭町)

▽阿波・岡山県津山市(69)
▽西谷新田・鳥取県智頭町(66)
 智頭宿からいきなり12kmのヒルクライム。1時間30分もかかる。でも今日は旅館に荷物を預け、ハンドルバーバッグひとつの身軽ないでたち。荷物がないので休まず上ることができた。まず津山市阿波支所へ行く。担当者が出かけていたので資料をいただき村内を走ってみる。大高下、大杉の集落では茅葺き屋根の民家や道ばたには水車が残っている。また、津山市施行80周年、阿波地域にほんの里100選選定記念事業として、7月11日にはフォーラムを行うという。
 阿波村のあと智頭の旅館に戻って、新田に行く。新田では新田むらづくり運営委員会の初代会長での岡田一さん、現会長の岡田和彦さん、パン工房アイの早瀬さん、清流の里のマネイジャーが迎えてくれる。酒をくみかわしながら新田の話を聞く。皆さんの話では、新田集落は、昭和30年には22戸107人が住んでいたが、現在では17戸49人、高齢化率は60パーセントを越える。農林業は土地を荒らさないためだけで耕作をしている。特に林業では80パーセントの外材輸入に押され、みるかげもなく衰退している。こうしたことから、小回りがきき、すみずみまで手の届くことを自分たちでやってみようと、集落丸ごとNPOを立ち上げた。もちろんたった20戸ほどの集落だからなにほどのことができるわけではなく、遅々として思うような成果はないが、厳しい事業運営のなかからほんの少しではあるが、集落活性化基金を積み立ている。こんな話を酒をくみかわしながらできた。とても暖かい人たちと楽しいひとときを過ごすことがてきた。機会があればまた訪ねてみたいと思う。走行距離65.37km。
 写真は阿波村の八十八番札所、水車、茅葺屋根の民家




[2009-06-11]
にほんの里100選ツーリング50 ▽別所・国信・鳥取県湯梨浜町(65)▽西谷新田・鳥取県智頭町(66)
●西ノ町別府港(島根県)→境港(鳥取県)→道の駅ポート赤碕→別所・国信(鳥取県湯梨浜町)→西谷新田(鳥取県智頭町)

▽別所・国信・鳥取県湯梨浜町(65)
▽西谷新田・鳥取県智頭町(66)
 6月10日 国賀海岸から別府港へ。別府港でフェリーを待っていると雨が降り出す。鳥取県境港で雨が降っていれば港の近くで泊まることを考える。ところが境港へ入港すると雨は降っていない。次の目的地の湯梨浜町には今日中には着ける距離ではない。走れるところまで走ろうと、国道431号から国道9号を走る。4時30分ごろに風が強くなってきた。猛烈な風でハンドルがとられる。危ないので自転車を降りてて押すことも。宿もない。しばらく走るとポート赤碕という道の駅があったので、危険を避けて、ここに泊まることにする。走行距離90.04km。
 6月11日 赤碕から湯梨浜町別府、国信へ。集落と周辺の里山に手入れの行き届いた梨園が広がる。落ち着いた家並みが山沿いに続く。梨園で作業をしていたカワハラさんご夫妻に話を聞く。カワハラさんは50年以上梨の栽培をしている。15アールの梨園で年4.5トンの収穫がある。戦後の一時期はよかったが、最近は肥料や農薬などが高くなって大変。この集落には43戸あるが、梨の仕事をやっているのは27戸。年寄りばかりで後継者も少なくなって、梨の仕事を続ける人もだいぶ減ってしまったという。
 続いて智頭町へ。まず役場へ行き企画室長の岡田さんの説明を受ける。新田は日本の農村の原風景を彷彿させる素朴な景観を残している。人形浄瑠離は明治初期より初められ、今も脈みゃくと受け継がれ、全国人形サミットをはじめ、各種イベントに参加している。また集落を丸ごとNPOにして交流事業等を行っている。NPOは宿泊と食事ができる施設も運営している。ただこの施設の宿泊は前もって予約が必要。このため今日は紹介していただいた智頭宿の宿に泊まることにし、明日は宿に荷物を預け、身軽になって激坂を上って岡山県阿波村に行き、智頭に戻ってNPO経営の新田の宿泊施設に泊まることにする。走行距離102.44km。
 写真は別所の梨園。





[2009-06-09]
にほんの里100選ツーリング49 ▽西ノ島町・島根県(67)
●松江市本庄→美保関町七類港→西ノ島町別府港→西ノ島町(島根県)

▽西ノ島町・島根県(67)
 松江市本庄から島根県美保関町七類(しちるい)港へ。七類港からフェリーで隠岐諸島の西ノ島町別府港へ。島に着くといままで雲っていた空から太陽がさしてくる。まず牛馬が放牧されているいる島の東南部を目指す。激坂を上って摩天崖展望所へ行こうとすると、途中で牛が道路をふさいでいる。自転車を降りて恐る恐るその横をそおっと通って展望所へ。この辺りは牛馬の放牧で草地景観が保たれている。またここからの景観は素晴らしい。残念ながら逆光で、携帯の写真では素晴らしい景観が表現できない。続いて国賀海岸へ。ここも海触断崖が続く素晴らしい景観だ。すっかり隠岐(お気)にいりのところとなって、ここに泊まることにする。走行距離28.91km。
 写真は西ノ島摩天崖からの展望と国賀海岸。




[2009-06-08]
にほんの里100選ツーリング48 ▽斐川町・島根県(68)
●温泉津温泉(島根県)→斐川町→松江市本庄

▽斐川町・島根県(68)
 中島さんご夫妻と温泉津温泉の焼物の里で登り窯を見たり、中島家の畑で奥さんが栽培しているバラを見てからスタート。国道9号で斐川町へ。斐川町では、町なかを自転車で走り、これはと思った築地(ついじ)松を写真におさめる。素晴らしい築地松の家の前で農作業をしている人に声をかけてみる。東京から自転車で築地松を見にきたというと、お茶でも飲んでゆけと、農作業をやめて自宅に招かれる。自分の畑で採れたというかぼちゃの煮物とお茶を飲みながら話を聞く。嘉藤さんといい、もう80歳をすぎたが生まれたときからこの家に住んでいる。農業をやっており、主に米、麦、大豆を作っている。築地松は先祖代々から伝わってきたものでいつごろ植えられたかはわからない。この辺りは海からの風が山を越えて強く吹き降ろしてくるので、昔の人の知恵で防風のため植えられたもの。手入れは3、4年ごとに行っている。消毒はしているいるが、最近は松くいむしにやられ、この地区でもずいぶん少なくなってきたという。松の太さは、嘉藤さんと私で手をまわしてもとどかない。そのくらい太い。嘉藤さんが言うように何百年もたっているのだろう。ずっと保存されることを願うばかりだ。明日は隠岐の西ノ島に島根県美保関町七類港から9時30分のフェリーで渡るため、走れるところまで走ろうと、松江市本庄まで走り、この町に泊まる。走行距離106.48km。
 写真は斐川町の築地松。



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