サイクル旅日記
ふれあい、自転車の旅
にほんの里100選めぐり日本一周へ

にほんの里100選ツーリング55 ▽白山・坂口・福井県越前市(36)

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●南越前町→白山・坂口(越前市)→越前加賀国定公園鮎川園地(福井市)

▽白山・坂口・福井県越前市(36)
 南越前町から越前市へ。越前市では資料を送っていただいた観光振興課の西出さんを訪ねると人事異動で市民課へ異動したという。観光振興課室長の福島さんと齊藤さんから説明を受ける。このあと市民課の西出さんにお礼の挨拶にうかがうと、彼女は満面に笑みをうかべ「来ていただいてうれしい」と迎えてくれる。この一言でとても気持が和らぎ、越前市に来てよかったと思う。さらに自転車クラブを立ち上げた職員課の中村さんを紹介してくれる。中村さんからは、加賀市に向かうのであれば、越前海岸沿いの国道305号を走ることを薦められる。西出さんに玄関まで見送られ白山(しらやま)、坂口へ向かう。白山では安養寺集団栽培組合を訪ね、ちょうど居あわせた西田さんから話を聞くことができた。ただ米を作るだけでは今の時代は経営上厳しい。そこで減農薬稲作を始めた。7人で12町歩の水田で減農薬のコシヒカリを栽培している。収穫のうち半分は農協へ、あとは個人のお客さんへの販売と自家米。個人への販売がもっと増えるとよいのだがという。西田さんは自然保護にも力を入れており、コウノトリが飛来する取り組みのひとつが減農薬稲作である。このことによってコウノトリの餌となる生き物が増えるのだという。またサギ草をこの地区に増やす取り組みも行っている。話を聞いたあと郷の森里楽(さとのもりりらく)へ行く。ここには森の中に溜池を利用したビオトープや休耕田を利用した湿地ビオトープがある。
 つづいて坂口のエコビレッジ交流センターへ行く。野村さんが中津原町西尾谷ビオトープと下別所ビオトープをクルマで案内してくれる。野村さんは水と生き物を守る農家と市民の会のメンバーで、またにほんの里100選の応募にも関わった人。アベサンショウオが増えることやコウノトリが飛来することを願っている。お土産に素晴らしい風景の「にほんの里」のポスターをいただく。坂口のあと職員課の中村さんから薦められた国道305号を走る。福井市に入ると越前加賀国定公園鮎川園地というキャンプ場の看板が目についた。ここは海岸沿いの景色の良いところで、温水シャワーもある。迷わず泊まることにする。走行距離83.04km。

 写真は白山、郷の森里楽、中津原町西尾谷、下別所。

2009年06月16日

にほんの里100選ツーリング56 ▽橋立町・石川県加賀市(35)

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●越前加賀国定公園鮎川園地キャンプ場(福井市)→橋立町(石川県加賀市)→道の駅一向一揆の里(白山市)

▽橋立町・石川県加賀市(35)
 鮎川園地キャンプ場から昨日に引き続き日本海沿いを走って橋立町へ。橋立町では北前船の里資料館の前の公園に自転車を置いて集落を散策。ひなびた町並みにしっくりと溶けあう柔らかな赤瓦の屋根、いかにも骨太な海の男の美意識を結集したような家構え、外観は日本海から吹きつける潮風からしっかりと家を守るごとく船板で守られている。雰囲気の良い集落を散策しているとアッというまに時間が過ぎて行く。遅い昼食のあと石川県白山市白峰を目指す。途中にあった道の駅一向一揆の里で道路状況を尋ねると、これから白峰まではずっと上りで大変だよ、このあたりには宿がないからここに泊まったらと言われ、道の駅に泊まることにする。走行距離79.69km。

 写真は船主集落、旧酒谷長兵衛家住宅(北前舟の里資料館)、旧酒谷長一家の住宅(蔵六園)、庭、忠谷家の住宅。

2009年06月18日

にほんの里100選ツーリング57 ▽白峰・石川県白山市(34)

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●道の駅一向一揆の里(石川県白山市)→白峰(白山市)→大崎海浜公園キャンプ場(かほく市)

▽白峰・石川県白山市(34)
 国道157号で白峰へ。手取湖付近から白峰までの10kmはトンネル、トンネル、トンネルと10数個もトンネルが続く。トンネルを抜けて先ず白山市白峰支所を訪ねる。産業建設課の山口さんが応対してくれる。訪問の主旨を告げると資料をしめしながらポイントをわかりやすく的確に説明してくれる。さらに紬織については加藤機業に電話で見学の了承をとってくれる。説明を受けたあと町を散策。家並はこげ茶色に統一され落ち着いた町並となっている。山口さんに紹介された「雪だるまカフェ」で昼食。ここは古民家で天井や柱、建て具が漆塗となっている。つづいて牛首紬の加藤機業へ。電話連絡をしていただいたおかげで、すぐ案内され、伝統の手作業でまゆから織ものになるまでの過程を見せていただく。牛首紬織の四代目の加藤さんの説明では、落ちのびた源氏の一族が村人に織の技術を伝えたのが始まりで、素朴な風合いと優れた耐久性から長く愛され、国の伝統的工芸品にも認定されているという。白峰からは輪島市を目指し、途中のかほく市大崎海浜公園キャンプ場に泊まる。走行距離103.28km。

 写真は白峰の町並、雪だるまカフェ、同、牛首紬のまゆから糸にしているところ、織物にしているところ。

2009年06月19日

にほんの里100選ツーリング58 ▽町野町金蔵・石川県輪島市(33)

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●大崎海浜公園キャンプ場(石川県かほく市)→輪島市→道の駅千枚田ポケットパーク→町野町金蔵(石川県輪島市)→なかじまロマン峠(七尾市)

▽町野町金蔵・石川県輪島市(33)
 6月20日かほく市から国道159、249号と最短ルートで輪島市へ。輪島駅の観光案内所で宿を紹介してもらう。安いところをというと、素泊2620円のペンションがあるというのでお願いする。袖ヶ浦海岸沿いでベッド、テーブル、椅子、テレビ、洋服タンスがあり、タオルと歯ブラシもついてこの値段。とても清潔で気持がよい。窓からは日本海が見える。期待した夕日は昼間は晴れて30度を越える暑さだったのに、残念ながら夕方になって曇ってしまい見ることができなかった。夜になると雨が降りだす。天気予報では明日からぐずついた天気が続くという。このぶんではここに連泊になりそうだ。走行距離112.46km。
 6月21日 朝起きると天気予報が外れ少し青空が見える。あわててスタートの準備にかかる。国道249号を走って行くと朝市の標識が目についたので寄ってみる。魚や野菜の販売で活気がある。つづいて道の駅千枚田ポケットパークへ。ここからは海に向かって広がるスケールの大きい千枚田が広がっている。露店で土産品を売っている女性の話だと、手作業でとれるここの米は絶品だという。金蔵(かなくら)への道を尋ねると、里町からと曽々木からの二通りのルートがある。自転車では遠回りとなるが曽々木からのルートが楽だと言われ、曽々木ルートで行くことにする。金蔵には五つの寺がある。金蔵寺、圓徳寺、慶願(きょうがん)寺、正願(しょうがん)寺、正楽(しょうらく)寺と寺巡りをする。慶願寺にはオープンカフェ「木の音」という看板がかかっている。お寺に喫茶店の看板とは珍しい。中には近所の女性が二人コーヒーを飲んでいる。話を聞いてみると、このあたりには散策に来てもらってもどこにも休憩するところがないので、町おこしでNPOが始めたが、今はこの寺の住職の奥さんがやっているという。コーヒーを飲んだあと、金蔵米(きんぞうまい)というブランド米づくりをしている棚田へ行ってみる。スケールが小さい。よくわからないが稀少価値があるのだろうか。走行距離84.97km。

 写真は金蔵寺、慶願寺、オープンカフェ「木の音」の看板、金蔵の棚田。

2009年06月21日

にほんの里100選ツーリング59 ▽砺波平野散居村・富山県砺波市・南砺市(32)

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●道の駅なかじまロマン峠(石川県七尾市)→和倉温泉→氷見市(富山県)→砺波市→砺波平野の散居村(砺波市・南砺市)→富山駅

▽砺波平野散居村・富山県砺波市・南砺市(32)
 6月22日 朝から雨。昨日泊まった道の駅にとどまって昼食。隣のテーブルで地元の人が焼酎を飲んでいる。私にもすすめてくる。昼間だけれど雨だからイイやといただく。午後1時やっと雨がやんだ。道の駅に連泊はしたくないのですぐスタート。ところが1時間も走らないうちにまた雨が降りだす。公園があったのであずまやで雨宿り。4時を過ぎても雨がやまない。このままやまなければ公園に泊まるか、雨のなかを和倉温泉まで走るかと考える。とりあえず公園の前のコンビニで弁当を買って腹ごしらえ。5時近くになって雨がやんだ。和倉温泉まで走る。温泉街の入口で宿を探していると、「泊まるとろを探しているの」と女性が声をかけてくる。私の勤めている旅館が素泊だと4200円で泊まれるヨ。電話してみたら。と言われ、電話して泊まることにする。行ってみると素晴らしい旅館で、こんな旅館にこんな料金でとまれるなんて運がイイ。走行距離18.13km。
 6月23日 和倉温泉から国道160号能登立山シーサイドラインを潮風を受けながら気持良く走って氷見へ。氷見から国道156号で砺波市へ。先ずとなみ散居村ミュージアムを訪ね、館長の砂田さんから館内のパネルをみながら説明を受ける。砺波平野の散居村は「カイニョ」と呼ばれる屋敷林に囲まれた農家が点在している。平野に散在して住むためには、家を守るための防風雨雪林が必要であり、屋敷林を作りあげてきた。カイニョとは、住居があって、その外側に耕地があって、その間をルーズな地帯としての境界と考え、そこに植栽された樹林帯をカイニョという。また散居村にはアズマダチと呼ばれる民家が820戸ある。この地方の民家は東向が多いが、この型式は、東を向いていることが強調されるため、アズマダチ(東建ち?)と呼ばれるようだ。屋敷林に囲まれて独特の景観を形成しており、富山県の地理的条件や人々の生活の知恵が生み出した文化遺産である。こうした説明を聞いたあと、となみ平野を自転車で走ってみる。写真のように南側に防風雨雪林、北側に門がある民家が点在している。南側に植栽がほどこされ陽当たりが悪いのではと思うが、南側からの湿った風や雪を防ぐことが一番大事なことだという。となみ平野を散策したあと、明日飛彈へ行くことを考え富山駅近くに宿をとる。走行距離124.56km。

 写真は砺波平野の民家。

2009年06月23日

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