石垣が支える段々畑
長く連なった石垣が、急斜面に何段も積み上げられており、城塞のような光景に圧倒される。300 年以上前の江戸時代から、南向きの険しい土地を切り開いた山村集落の段々畑は、この石垣によって支えられてきた。そこには祠があり、家ごとの守り神が祀られている。段々畑を中心としたモザイク状の土地利用は、人と多様な生き物が暮らす豊かな空間を生み出している。
堅牢な石垣は、地元の人たちによって修復が重ねられ、長く維持されてきた。毎年4月中旬になると、石垣のあちこちに植えられたシバザクラが美しい花を咲かせて、人々を誘いざなう。12 月には石垣のライトアップも実施され、幻想的な姿を見せる。