高野山麓で歴史を育む
高野山麓の標高450m 程の盆地で、約1700 年の歴史を育んできた。世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産である丹生都比売(にうつひめ)神社を核に、真言密教の信仰ともつながり、神仏習合の宗教観を現代に伝える。高野山の表参道である町石道(ちょういしみち)の二つ鳥居からは里を一望できる。他にも歴史遺産が豊富で、西行法師を偲
ぶ西行堂、「貧女の一燈」を献じたお照の墓などを訪ねるウォーキングコースもある。
随筆家の白洲正子は「天の一角に開けた広大な野原であった」と、随筆『かくれ里』に天野を記した。野原と見えたのは、まばゆいばかりの稲穂の波だったとされ、今も品質の高い「天野米」の生産に多くの農家が取り組む。