ほっと安らぐ田園景観
高松塚古墳やキトラ古墳、石舞台古墳など古代史を彩る貴重な遺跡群を抱える明日香村。村内を流れる飛鳥川の源流域にあるのが「奥明日香」。稲渕(いなぶち)、栢森(かやのもり)、入谷(にゅうだに)の3地区から成る。
村全体が歴史的景観保全のための明日香村特別措置法(1980年施行)による厳しい建築規制を受ける。高い建物がなく、訪れる人は、ほっと心安らぐ田園風景に包まれる。奥明日香3地区を中心とした「奥飛鳥の文化的景観」は、国の「重要文化的景観」にも選ばれた。
地域の女性グループが2008年、古民家を活用し郷土料理店「奥明日香さらら」を開いた。「さらら」は持統天皇の名前から取った。地元産の黒米や旬の食材で作る「さらら膳」が人気だ。
(グリーンパワー2015年12月号から転載)