棚田とチョウと浄瑠璃
大阪府の最北端の町、能勢町。三草山(みくさやま、標高564m)の山裾に連なる「長谷の棚田」は、1999年に「日本の棚田百選」に選定された。棚田は江戸時代以前から築かれていたらしい。「ガマ」と呼ばれる独特な石組み用排水路を流れる水が、今も棚田を潤している。
三草山はミドリシジミ類のチョウ(愛称・ゼフィルス)の楽園でもある。大阪みどりのトラスト協会が92年度に中腹約15haの地上権を取得し、「ゼフィルスの森」として保全した。
町には200年以上の伝統を誇る浄瑠璃(じょうるり)が伝わる。93年、「淨るりシアター」が町内に開設され、毎年6月「能勢淨るり月間」の公演を始めた。人形浄瑠璃劇団鹿角(ろっかく)座は旗揚げ10周年を迎える。
(グリーンパワー2016年6月号から転載)