1500本が咲く梅の里
「桃源郷」とも称される奥三河地域の梅の里。毎年3月に催される梅花(ばいか)まつりの時期には、約1500 本のウメが民家の周りで紅白の美しい花を咲かせ、ほのかな香りを漂わせる。山間の15 戸ほどの小さな集落が、この季節ばかりはたくさんの人で賑わう。地元で作られる梅干しや梅ジャムが、素朴な土産品として人気を呼んでいる。
古くはコンニャクなどを斜面の狭い畑で育てていたそうだ。戦後の昭和20~30 年代、周囲の山で植林が進むとイノシシやサルが畑を荒らすようになった。ウメなら被害を受けにくいと聞いた集落の人たちが植えるようになると、湧き水の豊富な土地によく合って、たくさんの木が育ったという。