日田市の皿山を9月半ばに訪ねました。ここは国指定重要無形文化財の「小鹿田焼(おんたやき)」を伝える里です。現在は10軒の窯元が、陶土の採取から登り窯による焼成までの作業を、家族だけの力で続けています。ふらっと立ち寄っても、野外には水の流れを動力とした唐臼(からうす)で陶土を粉砕する音が響き、成形を終えた大小の器が天日乾燥されている様子を見ることができます。登り窯の燃料には、日田杉の枝葉や端材も使われており、資源が地元で循環利用されている様子が垣間見られました。
毎年10月には、ここの全ての窯元が参加して陶器を販売する「小鹿田焼民陶祭」が開かれてきました。機会があれば足を運んでみてください。