地元の力で保全・再生
年間の平均気温が10 度前後という北広島町の芸北地区。降水量の多い冷涼な高原地帯に大小さまざまな湿原が点在し、その総称が八幡湿原だ。湿原を彩るのはカキツバタ、ノハナショウブ、ハンカイソウ、ミズチドリなどの花々で、水辺を好むハンノキの林も広がる。カスミサンショウウオなどの水生生物の姿も豊かだ。
過去の農地や牧場の開発によって、そうした湿原が分断されたり、乾燥化したりした場所もある。地元では残された湿原の保全とともに、貴重な湿原を後世に伝えるための再生にも取り組んできた。休耕田を活用した「カキツバタの里」も整備されており、たくさんの花が咲く初夏にはにぎわいを見せる。