守り伝える棚田の景観
赤城山を仰ぎ見る緩斜面に棚田が並んでいる。山頂近くから流れ下る粕川などの水を利用して、水田の耕作が続けられてきた。過疎化や高齢化の影響で耕作放棄地が増え、自慢の農業景観が失われることへの危機感が高まったのは、20 年余り前のこと。今では、景観を守り伝えながら若い家族層を呼び込もうと、初夏の田植えと秋の稲刈り、さらには野菜の植え付けなどの農業体験を、前橋市民らに呼び掛けて実施している。
ただ、オオブタクサ等の外来植物が侵入し、水辺からは在来魚のドジョウなどが姿を消すといった生態系の変化も生じている。ホタルなど昔からの生き物のすみかを大切にしたいと、棚田の一画にはビオトープが整備されている。